「ベチバー精油」の効果効能 利用法 ADHDやゴキブリ除けに 薬に頼らず健康に
スモーキーなこくのある土の香りがする「ベチバー精油(アロマオイル・エッセンシャルオイル)」。
年月が経つとともに質が良くなる、数少ない精油のひとつで、高ぶった神経を鎮める非常に優れた鎮静作用がある精油です。

目次
ベチバー(Vetiver)とは?
ベチバーはその鎮静効果によりインドやスリランカでは「静寂の精油」として知られています。
好き嫌いが激しい精油としても有名な存在ですが、2001年、Terry Friedman博士が行った研究で、ベチバー精油が子供のADHD(注意欠陥多動性障害)に対して有効であることがわかりました。
古代インドでは宗教的な儀式に使う薫香として重宝されていたおり、伝統医療であるアーユルヴェーダでも治療に使われていました。
また、古くからこの植物の根を粉にしてサシェに入れ、織物の防虫剤として使用されてきました。
この精油は粘度が高く、ほかの香りとなじみやすく、香りを持続させることができるため、香水の保存料としてもよく利用されます。
年月とともに質が良くなる数少ない精油のひとつで、非常に優れた鎮静作用があり、催淫作用もあるといわれています。
学名 | Vetiveria zizanioides (Chrysopogon zizanioides) |
別名 | ウサル、アカール、ワンギ、カスカスガヤ、クスクスガヤ、ベチベル |
科名 | イネ科 |
抽出部位 | 根 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主な産地 | インド、インドネシア、スリランカ、タヒチ、ハイチなど |
香りの種類 | オリエンタル系 |
ノート | ベース |
香りの強さ | 強 |

ベチバーの効果効能
主な成分 | ベチベロール、ベチボン、ベチベン、ベチロンなど |
主な作用 | うっ滞除去、強壮、抗うつ、抗ウイルス、抗炎症、催淫、細胞成長促進、殺菌、殺真菌、消毒、鎮痙、鎮静、免疫賦活 |
主成分はベチベロールで、神経を鎮静・強壮する作用があり、緊張を解き、心を強くしたいときに有効です。
産地により保有成分の比率に大きな差があります。※インドネシア産の場合
ADHD(注意欠陥多動性障害)に有効。ストレス性の症状を緩和
中枢神経に働きかけて、免疫賦活を強化する働きがあります。
Terry Friedman博士が2001年に行った研究で、ベチバー精油が子供のADHD(注意欠陥多動性障害)に対して有効であることがわかりました。
ストレスや疲労で免疫力が低下しているときや、胃腸の働きが弱まって、消化不良を起こしたり、体重の減少や貧血にも効果を発揮します。
関節や筋肉のこわばりをほぐし、血行を良くする作用があるので、痛みやリウマチの症状改善などにも有効です。
緊張・ストレス・プレッシャーを感じたときに
優れた鎮静作用があり、高ぶった神経を鎮めます。
人前で発表したり、環境が変わったときなど、緊張やストレス、プレッシャーにさらされているときに効果を発揮します。
感情の起伏が激しい時、気分がピリピリしているときなど、情緒不安定な場合にもおすすめです。
ストレスからくるめまいや不眠の解消にも効果的です。
ニキビ、肌荒れに
抗炎症作用があるため、ニキビやかゆみ、肌荒れなどの症状を緩和する作用が期待できます。
おすすめの使用法
- 芳香浴
- 入浴
- トリートメント
- ヘアケア
- スキンケア
相性の良い精油
サンダルウッドやイランイランなどの濃厚な香りとのブレンドは、心を落ち着かせてくれます。
甘く華やかなローズと合わせれば、しっとりと落ち着いた香りになります。
クラリセージやラベンダーなど、すっきりと爽やかな香りと合わせると、香りに深みが出ます。
ゴキブリ除けに超有効 100%の回避率
ベチバーは、九州大学農学研究院と企業の共同研究で、ゴキブリを100%寄せ付けないという研究結果が報告されています。
ゴキブリ以外にダニなどの害虫にも効果があるようです。
さらにミントをブレンドすると、蚊やコバエ、カメムシなども撃退することができます。
100円均一などに売っているスプレーボトルに水を入れ、精油を数滴入れ良く振り混ぜます。
これで防虫スプレーの出来上がり。
気になる場所にシュシュっとスプレーしてみましょう。
注意事項・禁忌事項
香りが強く持続性も高いので、手や服につくと落ちにくいため、注意しましょう。
妊娠初期や乳幼児への使用は避けましょう。
粘度が強いため、固まりやすいです。
イネ科アレルギーの人は注意が必要です。

参考引用文献:これ1冊できちんとわかるアロマテラピー 梅原亜也子著
※ここに掲載されている内容は専門書などを参考に取りまとめた情報です。植物の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。あくまでも自己責任において使用をお願いいたします。使用に不安のある方は専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。妊娠中、授乳中、小さな子ども、持病がある方、その他心配なことがある方は注意が必要です。
