「ベンゾイン(安息香)」の効果効能 瞑想時や呼吸器のトラブルに 薬に頼らず健康に
ベンゾインの精油は「安息香」という和名が示す通り、甘い香りで気持ちを和ませるとともに呼吸を深く安らかにする働きがあります。
瞑想の助けになることから、宗教儀式などで薫香として使われてきました。また、気管支炎などの呼吸器系のトラブルに対しても世界各国の伝統医学に使われたといわれています。

目次
ベンゾイン(安息香)とは?
東南アジアに生息するエゴノキ科の木の樹脂から採れる、非常に粘性の高い精油で、別名は安息香です。
東洋では古くからお香や薬として使用されてきました。乾燥した肌に潤いを与えなめらかにするため、バレエダンサーがつま先のひび割れのケアに使用していたといわれています。
バニラのように甘く濃厚でとろけるような香りが特徴です。
学名 | Styrax benzoe |
別名 | 安息香 |
科名 | エゴノキ科 |
主産国 | インドネシア、ラオス、タイなど |
抽出部位 | 樹脂 |

ベンゾインの効果効能
主要成分 | 精油【安息香酸エステル、桂皮エステル、バニリン】※精油尾の使用が一般的 |
主な作用 | 虚誕、駆風、抗炎症、抗カタル、催淫、収れん、消毒、鎮静、デオドラント、癒傷、利尿 |
孤独感や喪失感を抱えているとき
特に大きな悲しみを抱えているときに優れた効果を発揮します。
鎮静作用や精神を安定させる作用があり、緊張やイライラ、孤独感や喪失感などが和らぎます。
温もりのある甘い香りが、傷ついた心を癒し、ゆったり落ち着いた気分へと導きます。
風邪、咳、気管支炎などのトラブルに
抗炎症作用や去痰作用があり、風邪や気管支炎、喘息などの呼吸器系の症状を緩和します。
蒸気を吸入すれば、喉のトリートメントになり、過剰な粘液やたんを排出しやすくし、喉の痛みや声がかれたときに効果があるといわれています。
あかぎれやしもやけ、ひび割れ、乾燥肌の保湿に
癒傷作用があり、あかぎれやしもやけ、ひび割れなど、乾燥により傷ついた肌の症状を緩和します。
クリーム(無香料のもの)に精油(アロマオイル、エッセンシャルオイル)を1、2滴加えるのも効果的です。
精油(アロマオイル、エッセンシャルオイル)の使用法
おすすめの使用法
- 芳香浴
- 入浴
- トリートメント
- ヘアケア
- スキンケア
相性のよい精油
- 粘土が強く、ほかの香りを持続させる保留剤の働きをします。
- 濃厚さが気になる場合は、オレンジ・スイートやベルガモットなどの柑橘系やジュニパーベリーなどの爽やかな樹木系と合わせます。
- イランイランやサンダルウッド系とも合います。
咳を鎮める環境作りに
咳や気管支炎などの呼吸器系の症状に蒸気吸入がおすすめです。
洗面器の熱湯にベンゾインの精油を1滴落とし、一呼吸おいてから、立ち上がる蒸気を鼻と喉からゆっくりと吸引します。
ベンゾインの甘い香りが、不安や緊張を和らげ、咳を鎮めます。
熱湯でのやけどには注意してください。
【用意するもの】
ベンゾインの精油 | 1滴 |
熱湯 | 約1ℓ |
洗面器またはボウル |
【作り方】
- 洗面器に熱湯を入れる
- 蒸気が少し落ち着いたら精油を落とす
【使い方】
ひと呼吸おいて、頭からバスタオルをかぶり、洗面器を包み込むようにします。水面から30~50㎝上に顔がくるようにします。週に1、2回程度行います。
注意事項・禁忌事項
香りが強いので少量ずつ使用しましょう。
妊娠初期の使用は避けましょう。
粘土が高く、固まってしまうので保管に注意しましょう。

参考引用文献:ハーブと精油の基本事典 林信一郎著 、これ1冊できちんとわかるアロマテラピー 梅原亜也子著
※ここに掲載されている内容は専門書などを参考に取りまとめた情報です。植物の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。あくまでも自己責任において使用をお願いいたします。使用に不安のある方は専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。妊娠中、授乳中、小さな子ども、持病がある方、その他心配なことがある方は注意が必要です。
