【野草を食べる】ナズナ(ペンペングサ)の効果効能 利用法 解熱作用・眼精疲労・動脈硬化予防に
春の七草のひとつとして知られ、別名「ぺんぺん草」ともいわれている「ナズナ」。
日本全国の田畑、野原、空き地などいたるところにみられる野草ですが、食べると、解熱作用や眼精疲労・動脈硬化の予防などに効果が期待でき、古くから生薬として民間療法に利用されてきました。

目次
「ナズナ」とは?
エピソード
邪気を払い、万病を遠ざける薬草として、七草粥にも加えられるナズナ。
(春の七草:ナズナ、セリ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)
その実の形からヨーロッパでは「Shepherd’s purse(羊飼いの財布)」と呼ばれています。
薬効も高いため、昔から中国では止血剤、ヨーロッパでは痛風や赤痢などの薬として使われてきました。
特徴
道ばた、人家の庭などいたるところにみられる1年草で、花は年を越して1年中咲き、草丈10~40㎝ほどです。
早春に地面にはりついたギザギザの葉から茎が直立し、茎全体に毛が生えています。
茎の先に柄のある白色で小さい花を多数つけ、果実の形が三味線のばちに似ているため、「ぺんぺん草」の別名があります。
春の七草のひとつとして知られていますが、昔は野菜として扱われ普通に食べられていました。
科名 | Capsella bursa pastoris |
科名属名 | アブラナ科・ナズナ属 |
別名 | ペンペングサ、三味線草、Shepherd’s purse |
原産地 | 中国 |
利用法 | 薬用、食用、茶用 |
いつ摘める? | 若葉は2~4月、花は2~6月 |
生薬名 | 薺 |

ナズナの効果効能
主な成分 | アセチルコリン、ブルミン酸、サポニン、シトステロール、チラミン、コリン、フマル酸、アミノアルコール、フラボノイド、ヒスタミン |
主な作用 | 殺菌、抗菌、止血、血液循環促進、利尿、収斂、血液低下、解熱作用、消炎 |
- 下痢や便秘の改善
- 風邪の予防改善
- 目の充血などの眼精疲労の改善
- 膀胱炎・尿道炎の改善
- 肝炎の予防
- 産後における出血、月経過多といった症状の改善(妊娠中の方は分娩を除いて使用を控える方が良い)
- 動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防
利用法
春に全草を採り水洗いし、2~3日天日干しにする。
高血圧や便秘、子宮出血には1日量5~10gをコップ1杯強の水が半量になるまで煎じ、毎食後3回に分けて飲むと良いです。
動脈硬化の予防には、若葉を青汁にして飲むほか、おひたしなどの料理に普通に使うことができます。
目の充血には、10gを200mlの水で煎じ、こした汁を人肌に冷まし、脱脂綿に浸して洗眼すると効果があるといわれています。
参考引用文献:100種類の見分け方・採取法・利用法 身近な薬草活用手帖
おいしい食べ方
花の咲く前の若葉は、さっとゆでて水にさらしておひたしに。
花が咲いたら全草つかってお茶に。
花だけ摘んでサラダにしてもよいです。
生食可能です。

ナズナ茶の作り方
【材料】
ナズナ | 5~6本 |
水 | 1000ml |
- ナズナは花の咲いている時期に30㎝ほどの長さに切り、よく洗い水けをふく。ざるの上に置くか、束ねてつるすかして日陰で3日間ほど干す。
- 土瓶に1と分量の水を入れ5分ほど煮出す。
干さずに、そのまま急須にお湯とともに入れてハーブティーのようにしても飲めます。
ただし、生の葉の青くさい匂いや味はします。
参考引用文献:食べる野草図鑑 岡田恭子著
参考引用文献:100種類の見分け方・採取法・利用法 身近な薬草活用手帖 寺島進監修 食べる野草図鑑 岡田恭子著
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