【野草を食べる】ガマの効果効能 利用法 下血から喘息 薬に頼らず健康に

「古事記」に出てくる「因幡の白兎」に治療薬として登場する「ガマ」。

古くから薬草として日本に根づいており、体を軽くし、気力を充実させ、延命効果があるといわれています。

 

 

目次

ガマとは?

ガマは北海道から九州の日本各地や北半球の温暖な地域などの、沼地や湿地に生える多年草です。

草丈は1~2mで、根茎は白色で、泥の中を長く伸び、茎は水中から直立に伸びます。

下部の葉は水の中にあり小さく、上部の葉は水面より上に生えます。

茎の先端に花穂をつけ、上部は雄花、下部は雌花となります。先に雄花が先に落ちて、雌花が残ります。

秋になると残った雌花から綿クズ冠毛を持った種子が出ます。

 

学名
Typha latifolia
別名ミスクサ、 蒲、カバ
科名ガマ科
生薬名蒲黄(ほおう)
花期6〜8月
利用部位花粉、全草
利用法薬用、食用

 

 

採取時期(蒲黄)

6から7月(夏の開花期)ごろ、黄色の雄花穂だけを採取して2.3日日干し乾燥し、乾燥した花粉だけを使用します。

秋の茶色のガマは効能効果がありません。

 

薬効と使用方法

※子宮収縮作用があるため妊婦には禁忌です。

 

下血から喘息まで(蒲黄)

1日に3~8g内服、または煎じて服用すれば止血、通経、消炎性利尿剤として吐血、下血、子宮出血、血の道、痔出血、産後の腹痛、遣精、尿道炎などに効果があります。

悪寒を伴う発熱に飲むと良く、また鎮咳剤として喘息に効果があります。

 

長く飲み続けると体を軽くし。気力を充実させ、寿命を延ばすといわれています。

 

蒲黄の煎じ方:蒲黄約5gから10gを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除きます。

 

吐血剤(蒲黄)

少し炒って、切り傷、やけどに散布すれば痛みがとれ、傷跡もなく治ります。

また、脱肛、痔、耳だれ、鼻血、口内炎、歯ぐきからの出血、皮膚病に散布しても効果があります。

打ち身や打撲などで内出血がある場合に患部に塗布するとうっ血を取る効果があります。

生の花粉を用いても良いですが、効果が弱いです。

 

痔、脱肛(蒲黄)

ラードと合わせて練ったものを1日2,3回肛門に詰めても良いとされます。

 

脱毛症(蒲黄の黒焼粉末)

患部にすり込むと良いといわれています。

 

 

利用の仕方(薬食健康法)

穂花の食べ方

周囲の皮を剥いで除き、約20分くらい茹でると食べられます。

中心部には硬い芯があるため、周りの未熟な花を削るか、かじって食べます。酢味噌、マヨネーズなどが合います。

または、生のまま硬い芯の周りの未熟な花を削り取ってスープに入れても良いでしょう。

 

花粉を食べる

すでに花粉が飛び始めた花穂はたたいて花粉を落とします。

花粉が飛び散るならビニール袋などをかぶせて集めます。

花粉以外のものを取り除き180℃のオーブンにいれ、時々混ぜて少し焦げ色がついて黄褐色になったら保存し、黄粉の代用にします。

また、生の花粉や雄花に小麦粉を同量加え、水や牛乳で練って焼けばお菓子にもなります。

花粉にハチミツをたらして花粉団子にしても良いでしょう。

 

新芽や地下茎も食べられる

太い新芽を地中から切り取るか、根元の白いところを天ぷらにして食べると、ネギのようなぬめりがあって美味しいです。

よく茹でて水に晒して、酢味噌和え、マヨネーズ和えなどにして食べるのも良いです。

 

 

参考引用文献:大地の薬箱 食べる薬草事典 春夏秋冬・身近な草木75種 村上光太郎著

ハーブ・薬草を使うときの注意点

※ここに掲載されている内容は専門書などを参考に取りまとめた情報です。植物の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。あくまでも自己責任において使用をお願いいたします。使用に不安のある方は専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。妊娠中、授乳中、小さな子ども、持病がある方、その他心配なことがある方は注意が必要です。多量の摂取するのはやめましょう。

 

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