「ペッパー(コショウ)」の効果効能 肥満予防やダイエットに
古代ギリシアやローマ時代にはすでに料理に使われていた「香辛料の王様」といわれるペッパー。
中世には結婚の持参金、税金の支払いなどに用いられていました。法律で通用を認められた法定通貨で、ヨーロッパの領主たちは貨幣よりペッパーでの小作料の支払いを望んでいたと言われています。
料理のアクセントはもちろんのこと、ペッパーに含まれるピペリンという成分に肥満予防効果や栄養吸収を高める働きがあることなどが報告され、近年でも注目を集めています。
今回は「ブラックペッパー」の効果効能を中心にご紹介します。
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目次
ペッパーとは?
世界各地の食生活を変え、航海や貿易を発展させる原動力となって歴史まで動かしたといわれるペッパー。
高さ5~9mに成長する常緑多年性つる植物で、種子は発芽が難しく挿し木苗から栽培します。
定植の3年後から小さな白い花が穂状花序に少しずつ咲き始め、7~8年後には10㎝~20㎝の房に50~60個の果実をつけます。
学名 | Piper nigrum |
和名 | コショウ |
英名 | pepper |
科名 | コショウ科 |
種類 | ブラックペッパー、ホワイトペッパー、グリーンペッパー、ピンクペッパー |
作用 | 健胃、駆風、防虫、抗酸化、血行促進、抗菌 |
ブラックペッパーの効果効能
肥満予防やダイエットに
ブラックペッパーには辛み成分、ピペリンが含まれています。
『Journal of Agricultural and Food Chemistry』では「ピペリンに脂肪細胞の分化を阻害する可能性がある」と発表されています。
また、ピペリンにはアドレナリンのエネルギー代謝を促進させ、脂肪の分解を高めてくれます。
そのため肥満予防やダイエットに効果が期待されています。
高血圧や動脈硬化などに
ブラックペッパーにふくまれるピペリンには抗酸化作用があり、血管を広げ血流を促進する作用があると言われています。
そのため高血圧や動脈硬化などの血流障害の予防に効果が期待できます。
風邪予防、冷え性、貧血改善に
ブラックペッパーにはピペリンが含まれ、その成分には血行を促進する作用や抗菌作用が期待できます。
そのため、風邪の予防・改善や冷え性を改善し、鉄分も豊富に含まれているため貧血の予防にも効果があると言われています。
美肌効果やアンチエイジングに
ピペリンには抗酸化作用や血行を促進する作用があります。そのため、新陳代謝を促すため美肌効果やアンチエイジングに期待が持てます。
※あまり多量に摂取すると目や呼吸器に炎症がおきたり、胃腸が刺激される場合があるため注意が必要です。
ペッパーの種類
ブラックペッパー
まだ緑色をしているペッパーの実を収穫し、時間をかけて乾燥させたものです。
辛味や香りが強く肉料理によく使われています。アーユルヴェーダではマッサージオイルにも利用され、香りが強いため精油の原料にも使われています。特にピペリンを多く含んでいます。
ホワイトペッパー
赤色に完熟してから収穫し、乾燥させた後に水に漬けて外皮を柔らかくして剥ぐと白色の実がでてきます。
ブラックペッパーより風味が弱く、一般的には薬用に使われます。
グリーンペッパー
完全に熟す前の実を収穫し、ブラックペッパーと異なり塩漬けまたはフリーズドライ加工したものです。
爽やかな辛味で、肉料理や魚料理との相性が良いです。
ピンクペッパー
赤色に完熟してから収穫し、ホワイトペッパーと異なり外皮をはがさずにそのまま使用します。
色はくすんだ赤色で、ペルーなど南アメリカの料理で使用されることが多く、マイルドな風味で色合いもよいのが特徴です。
参考文献:ハーブのすべてがわかる事典 ジャパンハーブソサエティー著
※ここに掲載されている内容は専門書などを参考に取りまとめた情報です。植物の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。あくまでも自己責任において使用をお願いいたします。使用に不安のある方は専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。妊娠中、授乳中、小さな子ども、持病がある方、その他心配なことがある方は注意が必要です。