藍染以外にも機能性多数。「藍(アイ)」の魅力
藍染めの染料として知られる藍(アイ)。
世界的に人気が高く、ジャパンブルーと呼ばれおり、「日本のインディゴ植物」の代表格です。
美しい和色を楽しめるだけでなく、近年の研究ではアトピー性皮膚炎の改善やインフルエンザ予防にも効果があることが発表されています。
今回はそんな「藍」についてご紹介します。
きれいをつくる、自然の暮らし【OrgaLife】目次
藍とは?
日本のインディゴ植物の代表格の「藍」。
別名を「タデアイ」、「アイタデ」といい、色素成分は葉に含まれています。
中国から東南アジア周辺原産で、日本には6世紀頃に渡来しました。
ムラサキの紫根、ベニバナの紅花とともに「日本三大色素植物」とされています。
学名 | Persicaria tinctoria |
別名 | タデアイ、アイタデ |
科・属名 | タデ科・イヌタデ属 |
原産地 | インドシナ半島、東南アジア、中国 |
花の色 | 紫、ピンク |
藍の機能性
藍染めの導入当初は上流階級の物でしたが、室町後期から庶民にも広がり始めました。
藍染めされた生地は美しいだけでなく丈夫になり、防虫や抗菌などの機能があると言われています。そのため、汗をかくことが多い浴用具の浴衣や風呂敷、手ぬぐいなどに多く使われていました。藍染の下着や靴下はあまり匂わないと言われており、水虫にも良いようです。
また、ふぐ毒の解毒剤としても有名です。
さらに燃えにくい性質があり、江戸時代の火消しの半纏や蒸気機関車の作業着にも使用されてきました。
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藍の効果効能
藍は古代から民間療法、漢方などで生薬として使用されてきました。
藍のお茶には、消炎、解毒、解熱、止血、抗がん作用などの作用があると言われています。
藍の生薬のなかでも板藍根は、中国の家庭では一般的に使われており、解毒、解熱作用があり風邪の症状の緩和に効果があります。
また、抗ウイルス作用もあるため、インフルエンザの予防や気管支炎などにも用いられています。
加えて、抗炎症作用があることから、ニキビや吹き出物などの肌荒れにも効果的だと言われています。
2003年に中国や韓国などで猛威を振るったSARS(重症急性呼吸不全)にも活用されましたが、SARSへの作用はまだ明らかになっていません。
主な効果効能
- 風邪の諸症状に
- インフルエンザ予防
- 気管支炎
- 肌荒れの改善
- 水虫の改善
- 感染症予防
- 抗がん作用
- 虫刺され
- アトピー性皮膚炎の改善
- 解毒作用 など
近年発見された「藍」の効果効能
藍染の廃棄物から坑インフルエンザ物質、大阪の業者発見
廃棄物に抗ウイルス効果があった―― 大阪府富田林市で生薬加工業を営む堀川豊勝さん(59)が中国の漢方薬にヒントを得て、植物「タデアイ」の茎のエキスを調べてもらったところ、流行しているA型インフルエンザのウイルスの増殖を抑える効果があることがわかった。タデアイの葉は藍(あい)染めに使われるが、茎は捨てられている。企業と組み、加湿器やマスクに利用するなど商品化を目指している。
2009年2月1日 朝日新聞
朝日新聞の記事で藍の廃棄物には抗ウイルス効果があることが発表されました。
さらに2005年、弘前大学の研究グループが、藍に含まれている「トリプタンスリン (Tryptanthrin)」という成分が、強力な抗アレルギー作用をもたらすことを発見し、アトピー性皮膚炎の改善に効果があると発表しました。
引用元:http://siva.cc.hirosaki-u.ac.jp/rika/kagaku/kitahara/dai5.html
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近年でも、その作用が注目を集めているようです。
一部の地域をのぞいてあまり見る機会がありませんが、日本文化や生薬として、大変機能性を持つ藍を、大切に守っていきたいですね。
参考文献:和ハーブ図鑑 古谷暢基、平川美鶴著
※ここに掲載されている内容は専門書などを参考に取りまとめた情報です。植物の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。あくまでも自己責任において使用をお願いいたします。使用に不安のある方は専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。妊娠中、授乳中、小さな子ども、持病がある方、その他心配なことがある方は注意が必要です。