日本伝統工芸品、漆器に使われる「ウルシ」とは?

日本が誇る伝統工芸品の「漆器(しっき)」はウルシという植物で色付けされています。

西洋では漆器そのものを「JAPAN」と呼ぶほど、日本を代表する人気の高い工芸品なのです。

今回はそんな「ウルシ」についてご紹介します。

目次

ウルシとは?

樹高3 ~10m以上の落葉高木であるウルシ。

中国・朝鮮・日本で古くから広く栽培されていたと言われています。

ウルシは中国からの導入種というのが定説ですが、国内最大規模の縄文遺跡である山内丸山遺跡にはウルシ林の一部が残り、大量の漆器が出土しています。

さらに福井県の鳥浜貝塚からは1万2600年前の世界最古のウルシの木片が発見されています。

中国で最古とされるものが9000年前の物であることから、中国から持ち込まれたのではなく、日本国内に元々自生していた可能性も考えられています。

学名Toxicodendron vernicifluum
別名カブレノキ、ロウノキ
英名Lacquer tree
分類ウルシ科、ウルシ属
分布北海道、本州、四国、九州
花期5〜6月

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漆器とは?

漆器とは、木地の素材にウルシの樹液を塗り、防水、防腐、防虫、接着、および光沢や色を付けることを目的とした伝統手工芸品です。 

1本の木から採取できる樹液は、1シーズンで150~200gほどでとても貴重なものです。

この技法は東南アジア特有の文化であり、生活用品から高級木彫品の類まで幅広く用いられています。

その他のウルシの機能性

ウルシの野生種は樹液以外にも活用されています。日本野生種は「ヤマウルシ」と「ヤマハゼ」の2種があり、両種の果実は蝋の原料として利用されていました。

しかし、江戸時代に中国から導入された「ハゼノキ」のほうが脂分が多いことから、とって代わられ、日本古来の2種は格下扱いになってしまいました。

また、ハゼノキは相撲力士のポマードとして今も使われています。

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ウルシの注意点

ウルシにはウルシオールという成分が含まれており、皮膚がかぶれることが知られています。(いわゆる「ウルシかぶれ」)

人によってはウルシに触れなくても、近くに寄っただけでかぶれを起こす場合があります。

また、山火事などでウルシなどの木が燃えた場合、その煙を吸っただけで呼吸困難になる場合があり非常に危険です。

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参考文献:和ハーブ図鑑 古谷暢基、平川美鶴著

※ここに掲載されている内容は専門書などを参考に取りまとめた情報です。植物の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。あくまでも自己責任において使用をお願いいたします。使用に不安のある方は専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。妊娠中、授乳中、小さな子ども、持病がある方、その他心配なことがある方は注意が必要です。

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